アルプス一万尺、雪山でも快適に過ごせるプレハブ「LEAP factory『S3』」

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西ヨーロッパ最高峰、モンブランの南東麓の地、クールマイユール。冬にはスキー客が、夏には登山客が訪れるイタリア有数の山岳リゾート地だ。アルプスにそびえるモンブランの陰に開かれるスキースクール「Scuola Sci e Snowboard Courmayeur」はフランスとイタリアの国境の東南を活動拠点のひとつにしている。
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優美なモンブランの美しさは、自然の厳しさを映し出す鏡とも言える。モンブランの厳しい環境条件で安全にスキーレッスンを続けるためには、インストラクターの休憩室が必要だ。快適に過ごせる休憩室を建てたい。その要望に応えることができたのは、イタリアの建築設計事務所LEAPfactoryの開発した「S3」だ。

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「S3」システムは観光用の宿泊施設として開発された。6mx8mの空間には、スキースクールの受付と事務スペースがあり、その奥の部屋には講師がレッスンの合間に待機する休憩室を持つ。耐候アルミ板の外壁は、ブナ材の枠組みに断熱合成サンドイッチパネルで構成され、冬のアルプスでも快適な室内環境を提供してくれる。

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設計は、イタリアの建築設計LEAPfactoryだ。彼らは、人間の作り出すモノと自然環境との新たな関係性を見出すため、極限状況での建築に関するリサーチを行った。そして、この「S3」という最新のプレハブモジュラーシステムにより、厳しい気候条件での建築を実現させた。

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彼らは、これまでに、2つのプレハブシステムをこのアルプスに設置している。
1つはアルプスの最も標高の高い場所に設置されたビバーク小屋、「S1」。
もうひとつは、アルプスの高原に設置された軽量な小屋、「S2」だ。

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「S3」システムの施工期間は、わずか1週間。コンクリートや恒久的な建材を使用しないため、完全に解体することができ、移動やリサイクルも容易に行うことができる。また、ユーザーのニーズに応じて拡張可能なシステムとなっている。

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4モジュール(19㎡)のスモールサイズで6人のベッドスペース。
7モジュール(34㎡)ミディアムサイズで15人のベッドスペース。
11モジュール(47㎡)のラージサイズで24人のベッドスペース。
すべてのサイズが5㎡のテラスを持つ。

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アルプスをフィールドとするLEAPfactoryのブレハブシステムだが、山の多い日本にも十分適用できるのではないだろうか。

Via:
dezeen magazine
LEAP